BirthControl―女達の戦い―
百合子のような女性はこれからどんどん増えるだろう。


男性はまだいい。


子供が出来るまで相手を変えればいい話だ。


だけど……


子供が出来ないとレッテルを貼られた女性は、どうしたらいいのだろう?


カナメやリオ達のように、同じ傷を持つ女性が集まり、また遥香の時のような罪を犯すかもしれない。


もっと過激な集団であれば、恨みのあまり殺してしまうことだってあるかもしれない。


何かを排除するということは、それだけ恨みをかい、リスクを伴うということを、父や母は理解しているんだろうか?


「遥ちゃん、どうした?」


遥香が押し黙ったまま、そんなことを考えていると、丸山が心配そうに声をかけてくる。


「いえ、百合ちゃん元気になるといいなって思って……」


誤魔化すように笑顔を作れば、丸山は真剣な顔で問いかけてくる。


「そうだな……

遥ちゃん、僕は百合ちゃんを自宅に住まわせようと思うんだけど、どう思う?」


(……えっ?

丸山先生、そこまで考えてたんだ……)

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