BirthControl―女達の戦い―
「喜ぶと思います!

だけど百合ちゃんの性格だと、ただで居候するのは恐縮しそうだから、何か仕事を与えたらどうですかね?」


そう提案すると、丸山は嬉しそうに目を細めた。


「君ならそう言ってくれると思ってたよ

たぶん、妻も賛成してくれると思う

そうだね?確かに何か仕事を与えた方が、百合ちゃんも遠慮なく来れるかもしれないな?

ここで働きたいなら、少しだけ家賃を貰って、辞めたいなら家のことをお願いするのはどうだろう?

今、住み込みで働いてくれてる人はもう歳だし、手伝ってもらえると助かるんだよ」


そう言って鼻に皺を寄せながら丸山は遠慮がちに笑う。


丸山のような人が、まだこの日本にいてくれるだけで遥香は嬉しくなった。


自分の両親を見ているから尚更かもしれない。


「それなら百合ちゃんも納得するんじゃないかな?

私も百合ちゃんのことは心配してたから、安心ですし……」


もしかしたら百合子はラッキーなのかもしれない。


近くに丸山のような人がいてくれのだから……


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