BirthControl―女達の戦い―
「わかった……
君の決心が固いことも、まだあの事件を引きずってるんだってことも……
だけど無茶はしないでくれ
遥ちゃんも百合ちゃんも、僕は娘のように思ってるんだからね?
あんまり心配させないでくれよ?」
そんな風に言ってもらえて、遥香は素直に嬉しかった。
もう自分には父も母もいないものだと思ってきたから……
「ありがとうございます
なるべく心配かけないように心がけます!」
遥香が照れたように笑みを浮かべると、丸山もようやく納得したように微笑んで、もうそれ以上は何も言わなかった。
丸山の気持ちは嬉しかったけれど、遥香がここにこだわるのには意味がある。
もう五年――
遥香はここで生活し、住人の健康を管理してきた。
けれど遥香が知るこの施設の実態は、ほんのわずかだ。
もっと上層部が操る何か得体の知れない事実が、まだまだ隠されているような気がしてならない。
たとえ両親を敵に回したとしても、伏魔殿のようなこの施設の秘密を暴くことが、カナメやリオに償える唯一のことだと遥香は思っていた。
君の決心が固いことも、まだあの事件を引きずってるんだってことも……
だけど無茶はしないでくれ
遥ちゃんも百合ちゃんも、僕は娘のように思ってるんだからね?
あんまり心配させないでくれよ?」
そんな風に言ってもらえて、遥香は素直に嬉しかった。
もう自分には父も母もいないものだと思ってきたから……
「ありがとうございます
なるべく心配かけないように心がけます!」
遥香が照れたように笑みを浮かべると、丸山もようやく納得したように微笑んで、もうそれ以上は何も言わなかった。
丸山の気持ちは嬉しかったけれど、遥香がここにこだわるのには意味がある。
もう五年――
遥香はここで生活し、住人の健康を管理してきた。
けれど遥香が知るこの施設の実態は、ほんのわずかだ。
もっと上層部が操る何か得体の知れない事実が、まだまだ隠されているような気がしてならない。
たとえ両親を敵に回したとしても、伏魔殿のようなこの施設の秘密を暴くことが、カナメやリオに償える唯一のことだと遥香は思っていた。