BirthControl―女達の戦い―
「私は……大丈夫……

たぶん父が……私を助けるためにやってることだと思うから……

だけど……要さんと梨央さんはそのまま逃げて!

戻ってきてももう……誰も助からないから……ウッ……

ごめんなさい……

協力するなんて言っといて、私は結局みんなの足手まといにしかならなかった……」


震える声で必死に謝る遥香に、要はお前のせいじゃないと訴え続ける。


「そんなことはない!

こうやって私達に連絡をくれたじゃないか!

遥香は私と梨央の命の恩人だ!

だから遥香も生きろ!

生きてればいつか会える

それまでにまた力を蓄えるよ……

遥香にもらった命で、仲間の無念を晴らすために……」


たぶん泣いていたんだと思う。


遥香はすぐには返事をしなかった。


そのことが、彼女まで死んでしまうんじゃないかという思いが要を不安にさせた。


「遥香……?」


恐る恐るそう名前を呼んでみる。


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