BirthControl―女達の戦い―
「ありがとう……

もうすぐあいつらが、私のところまでやってくる

この電話は壊してわからないように棄てるから

万が一のために要さんも処分して?

それから私はこれから要さんや梨央さんに会うためだけに生きる

だから、要さん達も私のために生きてほしい

私はいつか二人の役に立てるように、自分にしか出来ないことをやってみせるから

絶対に死なないで!

約束だよ?」


プッ……ツーツーツー……


遥香がそう言ったと同時に電話は切れた。




「要?どうしたの?」


「ん?あぁ……悪い

遥香、元気でやってるかなぁって思ってさ

あいつ……無茶してなきゃいいけど」


「そっか……

あれからもう5年だもんね?

でも遥香なら、きっと元気にやってるよ

そうじゃなきゃ困る」


梨央はそう言って悲しそうに笑った。


あの子を巻き込んだのは、まぎれもなく自分達自身だ。


きっと将来看護師になる夢を描いていた遥香にとって、今の未来は180度違うものになってしまったかもしれない。


要達が関わらなければ、何も知らずに代議士の娘として、ぬくぬくと不自由のない生活を送れていたんだろうに……


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