BirthControl―女達の戦い―
男は恥ずかしそうに頭を掻きながら、もうすでに梨央の虜になってるようだ。


「そうですかぁ

青柳さんて言うんですね?

お仕事大変ですか?」


さも心配しているような素振りで、梨央は青柳の懐に入っていく。


何かを聞き出すつもりなのかもしれない。


自分も梨央に負けないように情報収集しなければと、要は本来の目的を思い出した。


梨央のように女を最大限に武器にすることは出来ないが、要のぎこちない接客は意外にも好評だった。


どうやら恥ずかしがっているように取られるらしい。


見た目とのギャップがいいと言ってくる客も少ないながらもいるのだ。


「稲田先生はお子さんいらっしゃるんですか?」


警戒している麻生よりも、稲田の方が聞き出しやすいと踏んだ要は、そう切り出した。


「そりゃあね?

君たちみたいに子供が出来ない女性の前で言うのはなんだけど、やはり少子化対策支援法を推進するからには、自らも子供は作らないと示しがつかないだろう?」


鼻を膨らませて自慢気にそう言った稲田に思わずピクリと頬が上がる。


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