BirthControl―女達の戦い―
胸元の大きく開いたワンピースからは、豊満な乳房が溢れんばかりに存在感を示している。


ぷっくりとした唇の横にあるホクロも、礼子の色香を増長させるには充分だった。


けれど決して卑猥ではなく、凛とした佇まいからは気高く品のある雰囲気を醸し出している。


親しみやすいけれど、高値の花……


それが洋一が礼子に感じた第一印象だった。


仕事や家庭の煩わしさを、ここに来るだけでリセット出来る気がして、洋一はその日から礼子の店に足しげく通うようになったのである。






会社について自分の席に着くと、いつもとは違う皆の視線を感じた。


キョロキョロと周りを見渡すと、見ていたやつらが一同に視線を外して俯いている。


(……なんだろう?)


そう思いながら首を傾げていると、洋一の席からは少し離れた場所にある部長の席から、トーンの低い声が響いた。


「宮田くん!ちょっと第二会議室で待っててくれないか?」


部長が洋一を呼ぶことなど滅多にない。


さすがに嫌な予感を拭うことは出来なかった。


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