BirthControl―女達の戦い―
（……知らなかった）


だけど今回の法案はその施設内をどう変えるものなんだろうか？


遥香に影響を及ぼすようなものでないといいんだけれど……


麻生が娘に不利な法案を通すとは思えないけれど、たまに見せる冷たい表情からは、例え娘といえど自分の立場のためなら、何でもやりそうな雰囲気を持っていた。


やはり遥香には近いうち接触した方がよさそうだ。


そんなことを眉間にシワを寄せながら考えていると、要が心配そうに覗きこむ。


「どうした？渋い顔して」


「あぁ、ごめん……

遥香、大丈夫かなって思って」


それを聞いて要は納得したように頷いて、私の心配を払拭してくれる。


「遥香は大丈夫だ

Ｂ棟のことは、Ａ棟に住んでいる者はもちろん、スタッフや医者なんかにも知らされていないらしい

今回のこの法案も通したところで、大々的に世間に発表することはないみたいだ

本当に内輪のことみたいだぞ？

もしかしたら何か今のままじゃ不都合な点が出てきたのかもしれないな？

あの施設が出来てからもう20年は経つんだから……

そうだったとしてもおかしくない」


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