BirthControl―女達の戦い―
――不都合な点。


もしかしたらそこを突けば、政府にダメージを与えられるかもしれない。


ダメージを与えられるほどの内容ならというのが大前提だけれど……


「それで内容も掴んでるんでしょうね?

どうなの?」


梨央の意図を理解したのか、要は得意気に笑いながら答える。


「もちろん!この私が調べたんだぞ?

掴んでるに決まってるだろ?

梨央が思ってる通り、これが世間に知れたら、麻生も政府も終わりだな」


それを聞いて梨央はコクリと息を呑んだ。


麻生や政府が終わるくらいの何かがあるのだ。


その先は衝撃的な事実に違いない。


梨央はそれが何なのか、ドキドキしながら要の言葉を待った。


「今度の法案は、今まで80歳になるとB棟に移されることになっていたのを、75歳に引き下げるものらしい

これだけなら大した話じゃないだろ?

だけどB棟に居住区を移すだけだと思われていたこの処置が、実はみんな殺されてるんじゃないかって話なんだ」


「――っ!」


(まさか……)


でもあり得ない話ではないかもしれない。


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