BirthControl―女達の戦い―
あの施設には毎月毎月誕生日を迎えた70歳の高齢者たちが入居してくるのだ。


膨らんでいく高齢者たちの帳尻を合わせるため、B棟に移すのを口実に殺すことぐらい麻生ならやりかねない。


「それが事実なら、風穴をあけられるかもしれないわね?」


「だろ?

だから遥香には内部の情報を探ってもらわなきゃな

まずはどうやってコンタクトをとるかだ

遥香は住み込みであの施設で働き始めて以来、一度も外へは出てないらしい

そうなると外での接触は難しい……

私たちが中に入るわけにもいかないしな」


要はそう言いながら、手を顎に置いて、どうすればいいか考えてるようだ。


「ちょっと張ってみたらどうかな?

あそこに出入りする業者とかもいるわけだから、待ち伏せて話聞いてみたり出来るんじゃない?

どこの業者が、施設に納入してるかくらいなら調べられると思うから」


「そうだな?

やっぱり私たちは地道にいくしかないか!

ハイテクは似合わないもんな?」


要は笑いながらそう言って、梨央に軽くウインクをした。


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