BirthControl―女達の戦い―
「そうそう、今までだって地道にやってきたんだから、私たちのやり方はこれでいいのよ

じゃあさっそくあの施設に出入りしている業者やスタッフを調べてみるわね?」




――――――…
――――…
――…


あれから何日か下調べをしていると、ちょうど次の週に健診のために訪れる医師がいることがわかった。


業者なんかよりもっと住人をよく知る医者ならば、何か情報を得ることが出来るんじゃないかと要と梨央は考えた。


そこで朝からOldHomeのゲートを張り込むことにして、今に至る。


朝、10時前にゲートを潜ったワゴン車は、一台だけだった。


あとは全てトラックだったことから、食料や日用品などの納入に違いない。


梨央の調べと一致するのは、そのワゴン車しかなかった。


「もう何時間経つんだ?
朝から入ったっきり、全然出てこないけど……

まさか!泊まりじゃないだろうな?」


要が待ちくたびれた様子でそう言うと、梨央は呆れたように答える。


「あのねぇ?あそこには1000人以上の人がいるのよ?

私の調べによると、月に一度だけの健診みたいだから、全員が受けたらいい時間になっても仕方ないわ?」


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