BirthControl―女達の戦い―
ビクッとしながら窓の方を見ると、そこには丸山本人がひっそりと立っていた。


梨央も要も動揺したものの、このまましらを切るわけにもいかず、窓を開けて丸山の出方を見ることにした。


「なんでしょうか?」


要が素知らぬ振りをして、そう声をかけると、丸山は心外だと言わんばかりの顔で口を開いた。


「それは私のセリフなんだがね?

OldHomeからつけていたろう?」


それを聞いて、自分たちの尾行は最初から失敗していたんだということに、二人はようやく気づいた。


そして気付かれていたなら好都合とばかりに、要が丸山に話しかける。


「バレてましたか……

申し訳ありません

丸山先生にお話を聞いていただきたくて、様子を窺ってました」


するとわかっていたとでも言いたげな顔で、丸山は梨央と要を交互に見比べる。


それからフッと笑って言った。


「君たちのような素敵なお嬢さん方が、尾行してまで私に話があるというからには、穏やかじゃない内容なのかな?」


察しのいい丸山に驚きながらも、梨央と要は真剣な眼差しで見つめながら、ゆっくりと頷いた。


< 177 / 406 >

この作品をシェア

pagetop