BirthControl―女達の戦い―
不安げな顔を隠すこともせずに、小さく「わかりました」と返事をすると、第二会議室に向かって歩き始める。
先程の皆の視線がこのことだったのかとわかるのに時間はかからなかった。
洋一が会議室に入った後を追いかけるように、部長がすばやく部屋に入ってくる。
「あの……何か?」
おずおずとそう聞いてみると、部長は何の感情もない顔で冷たく言い放った。
「宮田くん、悪いんだけど今月一杯で辞めてもらうことになったから」
「……は?」
洋一の嫌な予感は見事に当たった。
そんな予感ばかり当たらなくてもいいんだけれど……と洋一は思う。
それにしてもなぜこのタイミングなんだろうか?
あと4ヶ月子供が出来なければ離婚しなくてはならないのに、今会社を辞めることになるのは洋一にとってかなりのリスクを伴う。
今の洋一には実家はあってないようなものなのだ。
中流世帯区域に住んでいる両親は、子供が二人とも20歳になった時点で子供手当ては打ち切られ、年金制度は廃止されている。
もちろん働いてはいるが、中流世帯区域に住み続けるためには、今までかからなかった家賃や光熱費を支払わなくてはならないのだ。
先程の皆の視線がこのことだったのかとわかるのに時間はかからなかった。
洋一が会議室に入った後を追いかけるように、部長がすばやく部屋に入ってくる。
「あの……何か?」
おずおずとそう聞いてみると、部長は何の感情もない顔で冷たく言い放った。
「宮田くん、悪いんだけど今月一杯で辞めてもらうことになったから」
「……は?」
洋一の嫌な予感は見事に当たった。
そんな予感ばかり当たらなくてもいいんだけれど……と洋一は思う。
それにしてもなぜこのタイミングなんだろうか?
あと4ヶ月子供が出来なければ離婚しなくてはならないのに、今会社を辞めることになるのは洋一にとってかなりのリスクを伴う。
今の洋一には実家はあってないようなものなのだ。
中流世帯区域に住んでいる両親は、子供が二人とも20歳になった時点で子供手当ては打ち切られ、年金制度は廃止されている。
もちろん働いてはいるが、中流世帯区域に住み続けるためには、今までかからなかった家賃や光熱費を支払わなくてはならないのだ。