BirthControl―女達の戦い―
そんな二人の様子を見て、自分が警戒されていることを察したんだろう。


小さく息を吐きながら、丸山は呆れたように呟いた。


「警戒するのは仕方ないとは思うがね

もし私が君たちを警察にでも通報するつもりなら、もうとっくにしていると思わないかい?

わざわざこんなところにまで呼び寄せて君たちの話を聞こうとしているんだから、信用してくれると嬉しいんだが……」


要の顔をチラッと見ると、梨央と同様にすでに警戒を解いている顔をしていた。


「すみませんでした

ずっと人を疑わなきゃいけないような生活を強いられてきたものですから……

わかりました

遥香が信頼しているくらいですから、私たちも信用してお話しします」


梨央はそう言って丸山に頭を下げると、さっそく本題に入った。


「先生は、OldHomeのB棟の存在をご存知ですか?」


単刀直入に告げると、丸山は首を横に振りながら答える。


「いや、B棟なんて聞いたことがないが……

だとすると私が普段訪れている場所はA棟というわけなのかな?」


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