BirthControl―女達の戦い―
「お察しの通りです

B棟の存在は管理職以上の者にしか知らされてないという情報を掴んではいたんですが、やはり事実のようですね?」


「そうだったのか……

私は月に一度しかあそこには行かないから、もしかしたらはるちゃんなら気付いてるかもしれないが……」


「そのB棟で殺人が行われてるかもしれないっていう噂を耳にしたんです

先生はあそこに通われていて、何か変わったこととか不審に思ったことなんかはないですか?」


それを聞いて丸山は、先程までとは違う何か思い当たるような顔をして黙りこんだ。


「何か思い当たることがあるんですね?」


今度は要がそう言って丸山の返事を待つ。


丸山は辛そうな顔で、ショックだったのかなかなか口を開こうとしない。


もしかしたら薄々感ずいてはいたものの、それを否定しながら今まで医師としてあの施設に通っていたのかもしれない。


しばらく丸山の答えを待っていたけれど、口を開きそうもないと判断して、梨央は続けて話し始めた。


「B棟に移されるタイミングは、重い病気にかかった時か、80歳になった時らしいんです

健診をされていた丸山先生なら、先月までいたはずの方が今月はいなくなってたという体験をなさってたんじゃないですか?」


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