BirthControl―女達の戦い―
年金制度や生活保護が廃止になっているだけに、生活力のない者や体が不自由な身寄りのないものは、OldHomeに入れられることになるだろう。
だとしたらあの施設がパンクしないように、B棟に移される年齢が、それに伴い引き下げられてもおかしくない。
「それは……どういう意味なんだね?
これから犠牲になる者が増えるかもしれないというのは……」
丸山は梨央の言葉に不安を感じたらしい。
項垂れていた体を起こしながら、恐る恐る梨央に確かめるようにそう聞いた。
「B棟に移されるのは今まで80歳となっていたんですが、麻生の新法案が可決されれば、それが75歳に引き下げられることになりそうなんです」
「――ッ!
まさか……そんな……」
「可決されれば遅くても来年の4月には施行されるでしょう
だからそれまでに動かないと手遅れになるんです」
要が追い討ちをかけるようにそう言うと、丸山は真っ青な顔で呆然と梨央たちを見ていた。
それから意を決したように座り直すと、重みのある声を出す。
だとしたらあの施設がパンクしないように、B棟に移される年齢が、それに伴い引き下げられてもおかしくない。
「それは……どういう意味なんだね?
これから犠牲になる者が増えるかもしれないというのは……」
丸山は梨央の言葉に不安を感じたらしい。
項垂れていた体を起こしながら、恐る恐る梨央に確かめるようにそう聞いた。
「B棟に移されるのは今まで80歳となっていたんですが、麻生の新法案が可決されれば、それが75歳に引き下げられることになりそうなんです」
「――ッ!
まさか……そんな……」
「可決されれば遅くても来年の4月には施行されるでしょう
だからそれまでに動かないと手遅れになるんです」
要が追い討ちをかけるようにそう言うと、丸山は真っ青な顔で呆然と梨央たちを見ていた。
それから意を決したように座り直すと、重みのある声を出す。