BirthControl―女達の戦い―
「わかった……

私もこれ以上の犠牲など出したくない

出来ることなら協力しよう

ただ……家族にはあの中のことは一切話してないんだ……

だから家族には迷惑をかけることだけは遠慮したい」


申し訳なさそうにそう言ってくれた丸山の言葉だけで、二人は満足だった。


「当然です

ご迷惑をかけるつもりはありません

先生には遥香にこれを渡してもらうだけで十分ですから」


そう言って差し出した小さな袋の中には、小型の無線機とカメラ、盗聴器などがいくつか入っていた


丸山はそれを確認すると、自分の鞄に大事そうにしまいこんだ。


「私が次にOldHomeに行くのは来月になるが、それでもいいのかな?」


「はい、かまいません

下手に関係ないときに動いてしまうと、疑われかねませんから

いつも通りで大丈夫です
渡してさえくれれば、あとは遥香と私たちで何とかします

先生のご協力に感謝します

ありがとうございました」


そう言って頭を下げると、要もそれに習って頭を下げた。


どこまで出来るかはわからないけれど、遥香と連絡が取れれば外部でどう動くべきかわかるだろう。


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