BirthControl―女達の戦い―
もし廃止したとして、これから先このOldHomeはどうなるんだろう?


稲田や麻生に言われるがままやってきた罪が、公になってしまえば許されるとは思えない。


それにもしそうなったとしても、責任は大臣に及ぶことなく自分に全てかかってくるだろう。


まさにトカゲの尻尾切りのように。


「わかりました

ですがこの施設の運営がギリギリだという事実は変わりません

ですからなるべく早く法案を通して75歳に引き下げられるようご尽力いただきたい

もしなかなか通らないようなことがあれば、ここは崩壊します

そうなればここでの実態は明らかになり、麻生大臣にも少なからず影響がでるものと思われますが?」


大臣に対してここまでの口を叩くのは初めてだった。


きっと麻生も驚いているに違いない。


けれど自分の身を守るためにはやるだけのことはしておきたい。


高志の勢いに少しだけ息を呑んだようだったが、すぐに麻生はいつもの調子を取り戻して見下したように言った。


< 191 / 406 >

この作品をシェア

pagetop