BirthControl―女達の戦い―
壁と寸分違わぬ扉になっているため、A棟側からはカードキーを翳す場所さえ青柳にしかわからないようになっている。
壁のような扉をロックすると、そのまますぐ横にある自分の部屋に向かおううとした。
その時だった。
「――ッ!」
奥まった自分の部屋を窺うような人影が廊下の曲がり角に見えた気がした。
慌てて廊下を曲がり角まで見に行くと、走り去ろうとする女の姿が見える。
ここには普段、自分以外の人間は入れないことになっているはずなのに、なぜ?
嫌な予感が高志の頭をよぎった。
「ここで何をしているんだ!」
高志はその後ろ姿に思わず怒鳴りつけた。
すると彼女は振り返り、観念したようにゆっくりとこちらに歩いてくる。
自分の前まで彼女が来るのを見計らってから、今度は声のトーンを落として冷静に問いかけた。
「ここで何をしてたんだ?
……遥香くん」
そう、そこにいたのは紛れもなく麻生の娘の遥香だった。
さっきまで父親に見下され叱咤されていたというのに、今度はその娘が自分を探るような真似をしている。
壁のような扉をロックすると、そのまますぐ横にある自分の部屋に向かおううとした。
その時だった。
「――ッ!」
奥まった自分の部屋を窺うような人影が廊下の曲がり角に見えた気がした。
慌てて廊下を曲がり角まで見に行くと、走り去ろうとする女の姿が見える。
ここには普段、自分以外の人間は入れないことになっているはずなのに、なぜ?
嫌な予感が高志の頭をよぎった。
「ここで何をしているんだ!」
高志はその後ろ姿に思わず怒鳴りつけた。
すると彼女は振り返り、観念したようにゆっくりとこちらに歩いてくる。
自分の前まで彼女が来るのを見計らってから、今度は声のトーンを落として冷静に問いかけた。
「ここで何をしてたんだ?
……遥香くん」
そう、そこにいたのは紛れもなく麻生の娘の遥香だった。
さっきまで父親に見下され叱咤されていたというのに、今度はその娘が自分を探るような真似をしている。