BirthControl―女達の戦い―
遥香は涙目になりながら必死で胸を隠そうとした。


恐怖で声は出ないらしい。


高志はその恐怖に怯える遥香の姿を見て、今までにないくらい興奮した。


こんな性癖があったなんて高志自身知らなかったに違いない。


長い間……抑圧された生活を強いられてきた高志にとって、ほんの些細な麻生の失言は、彼の何かを変えるには充分だった。


それによって信頼し尊敬していた麻生の存在は、あっという間に憎むべき相手に変わっていた。


そしてそれはそのまま麻生の娘にも向けられる。


麻生の娘を抱くことが、あの男への復讐になると高志は信じて疑わなかった。


今まで一緒に働いてきた遥香の意志など尊重する気も更々なかった。


ここまで非道になれることに自分でも驚きながら、それでも彼女の服を剥ぎ取っていく。


下着姿だけになった時、彼女は隠していた胸を急に露にして、脱がされたナース服のポケットに手を入れた。


それに何の意図があったのか、興奮している高志はまったく気付いていなかった。


それはあっという間の出来事だった。


そして気付いた時にはもう……


高志は意識を手放した後だった。


< 197 / 406 >

この作品をシェア

pagetop