BirthControl―女達の戦い―
そんな丸山が遥香について話してくれたのは、彼女がここの看護師になってから、半年が過ぎた頃だった。
自分は月に一度しか来れないし、話を聞いてやることも出来ないことが歯痒いんだと丸山は言った。
「だから久枝さん、もし良かったら彼女の話を聞いてやってくれないか?」
そう頼まれて、正直彼女が自分に話をするんだろうかと疑問に思ったものだ。
けれど丸山は自分は外で、久枝には中で彼女をサポートしてやってほしいんだと重ね重ね頼んでくる。
久枝自身は彼女の力になりたいと思ってはいるけれど、彼女が果たして心を開いてくれるのかはわからない。
するとそんな久枝の思いを汲んだのか、丸山は大丈夫、と一言呟くと微かに笑った。
「久枝さんになら、彼女は心を開くよ
だって僕と同じ匂いがする」
確かに自分と丸山の思いには近いものがある。
今の政治を疑問に思うところも、悲しい女たちをどうにかしてやりたいと思うところも。
だけど久枝はここに70歳になったから放り込まれたただの住人であり、丸山とは立場も違う。
考えあぐねた結果出した答えは、至極当たり前のことだった。
自分は月に一度しか来れないし、話を聞いてやることも出来ないことが歯痒いんだと丸山は言った。
「だから久枝さん、もし良かったら彼女の話を聞いてやってくれないか?」
そう頼まれて、正直彼女が自分に話をするんだろうかと疑問に思ったものだ。
けれど丸山は自分は外で、久枝には中で彼女をサポートしてやってほしいんだと重ね重ね頼んでくる。
久枝自身は彼女の力になりたいと思ってはいるけれど、彼女が果たして心を開いてくれるのかはわからない。
するとそんな久枝の思いを汲んだのか、丸山は大丈夫、と一言呟くと微かに笑った。
「久枝さんになら、彼女は心を開くよ
だって僕と同じ匂いがする」
確かに自分と丸山の思いには近いものがある。
今の政治を疑問に思うところも、悲しい女たちをどうにかしてやりたいと思うところも。
だけど久枝はここに70歳になったから放り込まれたただの住人であり、丸山とは立場も違う。
考えあぐねた結果出した答えは、至極当たり前のことだった。