BirthControl―女達の戦い―
「あら?宮田さんじゃないですか

どうしたんです?
こんなに早い時間から

もしかして忘れ物?」


裏口から出てきたのはまぎれもなく礼子ママだった。


夜、店に出る妖艶な感じのママではなく、ショートパンツにキャミソール姿で、髪の毛も無造作に一つに束ねられている。


ショートパンツから伸びた白くて形のいい足を見て、洋一は知らず知らずのうちに生唾をゴクンと呑み込んでいた。


夜は夜で色気もあり匂い立つような美しさがあるけれど、昼間の化粧っ気のないラフな感じの彼女も健康的な美しさがある。


まだ26歳の若さで、美しい礼子ママが、なぜ一人でこの店を切り盛りしているのか、口には出さないけれど客のみんなが疑問に思っていることだった。


「宮田さん?

何かあったんですか?」


今は客でもなんでもないのに、こんな時間に店の前に立っていることに驚いたのか、心配そうにそう聞いてくる。


それだけで洋一は泣きそうになった。


心配してくれる人がいたんだということだけで、涙がこみあげてくる。


自分の情けない今の現状をただ慰めてほしかったのかもしれない。


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