BirthControl―女達の戦い―
(……いつからだ?)
いつからこんなことになったんだろう。
順調にいくように見えた政策も、10年を過ぎた頃から雲行きが怪しくなった。
子供を増やすことには成功したものの、それに掛ける費用が莫大となり、国民には知らされていないが、実は国の財政は火の車なのだ。
OldHomeもまた然りだ。
運営はどんどん厳しくなり、その全ては高志に委ねられている。
巨大な要塞を回していくためには、死んで行く者たちが必要だった。
独自で発電するシステムを開発し、この施設は全て施設内で電力を賄っている。
野菜や果物も施設の中で栽培し、出来るだけ自給自足を心がけていた。
それだけに一定の人数を養うだけで精一杯の現状なのだ。
高志は静かに息を吐くと、IDカードを掴み自分の部屋を出た。
すぐ隣のドアにIDカードを翳すと、ウィンと静かに扉が開く。
B棟に繋がる渡り廊下が、いつもよりやけに遠く感じた。
管理室の制御システムを前にして、高志はガラス張りになっている前面を見下ろした。
いつからこんなことになったんだろう。
順調にいくように見えた政策も、10年を過ぎた頃から雲行きが怪しくなった。
子供を増やすことには成功したものの、それに掛ける費用が莫大となり、国民には知らされていないが、実は国の財政は火の車なのだ。
OldHomeもまた然りだ。
運営はどんどん厳しくなり、その全ては高志に委ねられている。
巨大な要塞を回していくためには、死んで行く者たちが必要だった。
独自で発電するシステムを開発し、この施設は全て施設内で電力を賄っている。
野菜や果物も施設の中で栽培し、出来るだけ自給自足を心がけていた。
それだけに一定の人数を養うだけで精一杯の現状なのだ。
高志は静かに息を吐くと、IDカードを掴み自分の部屋を出た。
すぐ隣のドアにIDカードを翳すと、ウィンと静かに扉が開く。
B棟に繋がる渡り廊下が、いつもよりやけに遠く感じた。
管理室の制御システムを前にして、高志はガラス張りになっている前面を見下ろした。