BirthControl―女達の戦い―
しばらく言おうか言うまいか迷っていたんだろう。


少しの沈黙のあと、ようやく決心がついたのか、遥香がポツポツと話し始めた。


「最初は……

部屋の前とかドアのとこに取り付けようとして、青柳の部屋のある立入禁止区域まで行ったの……
梨央さんが渡してくれた偽造カードで難なく入ることが出来たから……

そしたら……見つかっちゃって……

部屋に連れていかれたから、その時に取り付けたんだけど……」


「はっ?見つかった?」
「うそ!見つかったの?」


そこまで聞いて梨央たちは同時に叫んでいた。


恐れていたことが現実になってしまった。


「でっ、でもね?

隙を見てスタンガンで気絶させたから、逃げること出来たの

だから大丈夫!

やっぱりスタンガンあって助かった

ありがとね?

要さん、梨央さん」


そういう問題じゃないだろうと梨央も要も大きく溜め息をついた。


それから要が強い口調で遥香に命令する。


「遥香、お前はもう青柳に目をつけられたんだから、今後は一切何もするな!

ペン型なら、青柳の行動や誰かと連絡を取るのを押さえられる

だから詳しい情報がわかったら、また連絡するからそれまでは大人しくしてろ」


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