BirthControl―女達の戦い―
「どっちにしたって、いつかは下されるものだったんだから、かえって早い方が動きやすいかもしれないわよ?」


梨央にそう言われ、それもそうだと自分を納得させると、要は深い溜め息をついた。


12月までに中継車を用意しなくてはならない。


その日に待機してもらうため、丸山にも早めに連絡をとるべきだろう。


梨央には電波をジャック出来るように準備してもらわねばならない。


この短い期間でそれだけのことが出来るのか不安もあったが、遥香のことを考えれば、一つも取りこぼしてはならない重要事項だ。


出来れば当日、自分もOldHome内部に入れるように工作しておきたい。


丸山のIDカードを使えばなんとかなるだろうか?


当日まであと2ヶ月を切っている。


すぐに行動を起こさなければ間に合わないかもしれない。


横にいる梨央に視線を投げ掛けると、わかってるというように目線を合わせて力強く頷いた。


急いで運転席に戻ると、梨央も同じタイミングで助手席に乗り込んだ。


すぐに車を発進させ、まずは丸山の元へと向かう。


このことを話して、丸山は協力してくれるだろうか?


危険な目には合わせないと、つい先日約束して遥香との連絡役をお願いしたばかりだというのに……


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