BirthControl―女達の戦い―
「遥香、聞こえるか?」


「はい、聞こえてます」


「青柳が部屋を出た

そのまま久枝さんを迎えにいくだろう

遥香の方は準備は大丈夫か?」


「はい、今朝早くに久枝さんにカメラを3つ渡してきました

用意された白い服を着せられて、スリッパで来るように言われてるみたいで……

なんだかほんとに囚人みたいで……

私……見てられなかった……

でも久枝さんは普通に笑って任せときなさいって……」


「そうか……

久枝さんの気持ちは無駄にしないようにしなきゃな?

遥香、大丈夫か?

これからが肝心なんだから、しっかりしろよ?」


そう声をかけると遥香は鼻を啜りながら涙を堪えるように、わかってると言った。


「それから丸山先生と一緒に私もそっちに行けるようにする

だから遥香は無茶はしないで待ってろ

必ず久枝さんは助けるから」


丸山に頼み込んでOldHomeに潜入することにしたのは、つい先日のことだ。


遥香が危険を顧みずに久枝を助けそうな気がして、不安が拭えなかったから。


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