BirthControl―女達の戦い―
要と丸山はOldHomeに潜入するため、この場を梨央に任せて、中継車を降りる。


瞬間、凍てつくような寒さが要たちを襲った。


サクサクと足元の雪を踏みしめながら、丸山の車へと移動する。


たった数歩の距離なのに、あっという間に頭や肩が白く染まっていく。


車に乗り込む前に軽く手で体の雪を払っていると、中継車にいる梨央がこちらを向いて何か叫んでいるのが見えた。


(何かあったのか!?)


慌てて丸山を置いたまま、梨央の元へと引き返す。


雪が足に絡み付いて思うように走れず、何度もつんのめりそうになりながら、やっとの思いで梨央のいる車のドアを勢いよく開けた。


「どうした!?」


冷たい空気が肺に入り、少し息苦しい気がしたが、そんなことはお構いなしに、梨央に問いかける。


梨央は泣きそうな顔で画面を指差しながら、震える声で答えた。


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