BirthControl―女達の戦い―
『少子化対策支援法』が成立してから、避妊は重罪となった。


もっとも子供を産むことで、いろんな免除や交付金が得られるのだから、避妊をする者など滅多にいなかったが……


そのためゴムは流通しなくなり、今は存在しないものとなっている。


洋一ももちろん避妊の知識など教育されておらず、当然のように礼子の中に欲望を吐き出した。


それに子供が出来ていれば、路頭に迷うこともなく、礼子とも一緒にいられる。


洋一の中では、そういった打算の意味も含まれていた。


「わかったわ……

もし出来てたら、その時は一緒に暮らしましょう?」


全てのうまくいかなかったことが、たった一度、他の女性と体を重ねただけで、こんなにうまくいくなんて……


洋一は礼子の中に小さな命が宿ることを、百合子の時よりもはるかに強く願った。


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