BirthControl―女達の戦い―
皆、眠るように横たわっていたが、もしかしたらもうすでに死んでいるのではないかと遥香は思った。
(まさか……
久枝さんもこのどこかに……?)
そう思うと青柳に激しい憎悪を抱いた。
なぜ何の罪もないお年寄りをこんな目に合わせるのか、理解に苦しむ。
けれどそれが自分の父親の命令であることは頭のどこかでわかっていた。
それでも遥香は、言いなりになるだけじゃなく、あろうことか年齢を引き下げるよう頼んだこの男を許せなかった。
一連の作業が終わり振り向いた青柳を見た瞬間、遥香は行動に出た。
持っていた棒の部分を力一杯降り下ろしたのだ。
それは青柳の頭に直撃し、気付いたときにはもう遥香の足元に転がっていた。
自分が何をしたのかしばらくわからなかった。
考えよりも先に体が動いたからだ。
けれど転がっている青柳が全く動かないのを見て、自分が人を殺したんだと初めて認識した。
急に怖くなり掴んでいた棒を手から離してその場に投げ捨てる。
カランカランと音がして、それは床に転がっていった。
(まさか……
久枝さんもこのどこかに……?)
そう思うと青柳に激しい憎悪を抱いた。
なぜ何の罪もないお年寄りをこんな目に合わせるのか、理解に苦しむ。
けれどそれが自分の父親の命令であることは頭のどこかでわかっていた。
それでも遥香は、言いなりになるだけじゃなく、あろうことか年齢を引き下げるよう頼んだこの男を許せなかった。
一連の作業が終わり振り向いた青柳を見た瞬間、遥香は行動に出た。
持っていた棒の部分を力一杯降り下ろしたのだ。
それは青柳の頭に直撃し、気付いたときにはもう遥香の足元に転がっていた。
自分が何をしたのかしばらくわからなかった。
考えよりも先に体が動いたからだ。
けれど転がっている青柳が全く動かないのを見て、自分が人を殺したんだと初めて認識した。
急に怖くなり掴んでいた棒を手から離してその場に投げ捨てる。
カランカランと音がして、それは床に転がっていった。