BirthControl―女達の戦い―
まだ眠い体を引きずりながら、礼子は昨日の片付けをするために店に足を運んだ。
昨夜は飲み過ぎてしまい、片付けが出来なかったのだ。
両腕を上にあげて伸びをしながら、誰もいないのをいいことに、大きな口を開けて、思いきり欠伸をする。
「ふぁ~あ……あふ……」
(さてと掃除するか!)
ほうきで床を一通り掃いてから、今度はモップで水ぶきをする。
それから一つしかない色つきの青い窓を、ガラスクリーナーで丁寧に磨いた。
海をイメージした内装は、古さを少しだけ清々しく見せてくれる。
礼子はこの店がとても気に入っていた。
掃除がだいたい終わると、今度は洗い物に取りかかった。
溜めていた水につけてあった食器類を、手早く洗剤をつけながら洗っていく。
すすぎが終わり、あとは午後から仕込みを始めればいいやと、部屋に戻りかけた時、店のドアを思いきり開けようとする音が聞こえた。
一瞬、身を強張らせたものの、誰なのかを確かめようと裏口から外に出てみる。
起き抜けでショートパンツにキャミソールという姿だったことはすっかり忘れて、礼子は様子を窺った。