BirthControl―女達の戦い―
(あの時、ほんとは死ぬつもりだったんだもの……
何か人の役に立つことが出来て良かった……)
そう思ってから遥香は久枝が言っていた言葉を思い出す。
どうせ死ぬなら遥香やこれからの世の中のために死にたいって言ってた。
(私たち、似た者同士なのかもね?)
もう死んでるのか死んでないのかわからないくらい、遥香は意識が混濁していた。
だけど丸山とは違う声が遥香の名を呼んだ時、一瞬だけ意識がはっきりした。
「遥香ぁぁぁぁぁ!」
顔は見えなかったけれど、要だということだけははっきりとわかった。
次の瞬間きつく抱き締められて、遥香はまだ自分が生きてるんだと実感する。
瞑っていた目を必死に開けて、要の顔を見ようとした。
「かな……めさ……」
「いい!しゃべるな!」
要の顔がおぼろげに見える。
「泣いて……るの?」
それはいつも気丈な要が誰にも見せたことがないような、涙でぐしゃぐしゃになった悲しい表情だった。
何か人の役に立つことが出来て良かった……)
そう思ってから遥香は久枝が言っていた言葉を思い出す。
どうせ死ぬなら遥香やこれからの世の中のために死にたいって言ってた。
(私たち、似た者同士なのかもね?)
もう死んでるのか死んでないのかわからないくらい、遥香は意識が混濁していた。
だけど丸山とは違う声が遥香の名を呼んだ時、一瞬だけ意識がはっきりした。
「遥香ぁぁぁぁぁ!」
顔は見えなかったけれど、要だということだけははっきりとわかった。
次の瞬間きつく抱き締められて、遥香はまだ自分が生きてるんだと実感する。
瞑っていた目を必死に開けて、要の顔を見ようとした。
「かな……めさ……」
「いい!しゃべるな!」
要の顔がおぼろげに見える。
「泣いて……るの?」
それはいつも気丈な要が誰にも見せたことがないような、涙でぐしゃぐしゃになった悲しい表情だった。