BirthControl―女達の戦い―
何気なくつけたテレビにそれは映っていた。


どこかの部屋で男と年配の女性が何かやりとりしている。


いつもの国営放送とは何かが違っていて、不思議に思いながらその映像を食い入るように見た。


カプセルのような物にその女性は横たわった。


次の瞬間、傍にいた男が何かのボタンを押すとカプセルの中が真っ白になり、女性の姿は見えなくなる。


(――えっ?なに?これ?)


そう思うと同時にカプセルはその奥の穴から消えていった。


画面が切り替わると、そこにはたくさんの同じようなカプセルが、ゆっくりと流れていた。


(さっきの女性といい、まさかこれ……)


高齢者が眠らされている時点で、ここはOldHomeに違いない。


その先に見える赤々と燃え盛る炎。


(間違いない……殺されるんだ!)


悲鳴をあげそうになり、咄嗟に口を両手で押さえる。


しのぶは見ていられなくなって、テレビから顔を背けた。


「――ッ!お母さん!」


顔を背けた先に青ざめた顔で立っていたのは母だった。


あまりの衝撃映像に絶句しているんだとこの時しのぶは思った。


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