BirthControl―女達の戦い―
いつも通り子供たちを送り出し、妻は買い物に行っていた。
一人リビングのソファーで寛ぎながら、文雄はボーッとテレビを眺める。
相変わらず悠々自適に生活できているのは、あの三人の子供たちのおかげだ。
働かなくても心配ない生活に、文雄はすっかり気をよくしていた。
少し前にテレビでOldHomeの映像が流れ、世間が大騒ぎになった時、驚きこそすれ、文雄自身は特に危機感を持つわけでもなかった。
この制度が覆されることなどないと思っていたからだ。
普通の情報番組だったそれは、急に画面が切り替わりニュースが流れ始めた。
横になりながらそれをぼんやり見ていた文雄は、まだ自分が人生の危機に陥ることを知らない。
次の瞬間、ニュースキャスターが有り得ないことを口走った。
(――なっ!
今、何て言った?)
――――……政府は先ほど、少子化対策支援法に対して、一部を除いて廃止すると発表しました
詳しい内容はまだわかっておりませんが、子供一人につき支払われていた給付金は廃止になると決定されたようです
繰り返します……――――