BirthControl―女達の戦い―
(これだ!
文雄はテレビを見つめながら我ながらいい考えが浮かんだとほくそ笑む。
「芳枝、二人でOldHomeに入ろう!
年齢的に無償では無理だとしても、今まで貯めてきた金で入居資金を払えば何とかなるだろう
そうすれば何の心配もなく、暮らしていける
なあ?いい考えだろう?」
目を爛々と輝かせて、文雄は芳枝の両腕を掴んで胸から引き剥がし、顔を覗き込みながらそう言った。
「あなた……?」
妻が何か得たいの知れない物を見るような顔で文雄を見る。
(……なんだ?いい考えだろう?
お前を……路頭に迷わさなくて済むんだから……)
「私たち……まだ、47歳です……よ?
高齢者と呼ぶ……には……
それに……子供たちは……あの子たちは……どうする……つもりなんですか?」
震える声で途切れ途切れに、それでも目は真っ直ぐこちらを向いて芳枝はそう言った。
一瞬怯んだものの、それでも文雄は譲らなかった。
きっと自分自身が一番不安で仕方なかったに違いない。
だけどそれを認めたくなくて、妻のためだと言うことで、何とか保っているのだ。
文雄はテレビを見つめながら我ながらいい考えが浮かんだとほくそ笑む。
「芳枝、二人でOldHomeに入ろう!
年齢的に無償では無理だとしても、今まで貯めてきた金で入居資金を払えば何とかなるだろう
そうすれば何の心配もなく、暮らしていける
なあ?いい考えだろう?」
目を爛々と輝かせて、文雄は芳枝の両腕を掴んで胸から引き剥がし、顔を覗き込みながらそう言った。
「あなた……?」
妻が何か得たいの知れない物を見るような顔で文雄を見る。
(……なんだ?いい考えだろう?
お前を……路頭に迷わさなくて済むんだから……)
「私たち……まだ、47歳です……よ?
高齢者と呼ぶ……には……
それに……子供たちは……あの子たちは……どうする……つもりなんですか?」
震える声で途切れ途切れに、それでも目は真っ直ぐこちらを向いて芳枝はそう言った。
一瞬怯んだものの、それでも文雄は譲らなかった。
きっと自分自身が一番不安で仕方なかったに違いない。
だけどそれを認めたくなくて、妻のためだと言うことで、何とか保っているのだ。