BirthControl―女達の戦い―
「しのぶちゃん、ごめんね?

ショックだったと思う……

私もそうだったからわかるよ」


(えっ!?私もそうだったって……

まさか……真希さんも?)


しのぶが何も言えずにただ真希の顔を見つめていると、その思いを汲み取るように、彼女はゆっくり口を開いた。


「うん……そうなんだ

しのぶちゃんが思ってる通りなの……

しかもうちは菊地さんみたいに一度だけじゃなくて……

何度も通いつめてたみたい

近所の人がそれを見かけてね?

ご丁寧に私に知らせてくれたの」


そう言って彼女は悲しそうに目を伏せた。


しのぶはそれを聞いて絶句した。


真希はどんな思いでそれを聞いたんだろう?


それなのにそんな素振りも見せないで、今までずっとしのぶを傷付けないように黙っていてくれたんだとわかる。


「しのぶちゃん?

だから気持ちはよくわかる

でも男なんて結局は誘惑に弱い生き物なんだって思うことにしたの

だって礼子ちゃんの気持ち考えたら、私なんてまだましなんじゃないかって思えて……

たった19歳で父親と同じくらいの歳のおじさんに、一度だけじゃなく何度も……

それに複数の相手に体を開かなきゃならなかったんだから……」

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