BirthControl―女達の戦い―
ある程度の医療用具を車に積んで、病院よりさらに高台にある施設を目指す。


しばらく走ると、延々と続く塀に囲まれた巨大な施設が顔を出した。


グルッと回り込むと、業務用の車などが出入りするゲートが見えてくる。


哲朗はゆっくりとゲートに近づくと、カメラ越しに自分の名前を告げて、料金所のような機械にIDカードをかざした。


ピピッという音とともに、ゴゴゴッと重い鉄の扉が下から上へ開いていく。


扉が全て上がりきったのを確認してから、哲朗は車を施設内に進めた。


中に進むといつものように車を駐車させてから、施設内に続く入口に向かう。


ここでもまたIDカードをかざして扉が開くのを待った。


ウィンと自動ドアがスムーズに開いて、医療用具の入った大きな鞄を抱えながら、哲朗は中に入っていった。


真っ白な壁に覆われた無機質な空間は、いつ来ても不気味さが哲朗を襲う。


コツコツと足音が響き渡り、他には一切の音がしない。


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