りある♡プリンス
その日から、あたしは翔となるべく関わらないようにしていた。
登下校のリムジンには乗らず、毎日徒歩で通った。
目も合わせないように、翔には近づかないようにした。
お菓子のクッキーを持って行く時も、お皿を置いてすぐに出るようにした。
学園では、最近よく翔と雫さんが一緒にいるのを見かける。
告白したのかな………。
そう思うと、急に胸が締め付けられるように痛む。
ほら、高橋まひる。
翔は諦めるんでしょ、忘れるんでしょ。
翔が好きなのは、雫さんなんだから……。
でも、翔を自分から遠ざけようとするたびに、翔への想いは募っていってしまう……
……早く、早く忘れろ、まひる。