りある♡プリンス
どうしよう、どうしよう?
「まひるさん」
「はいぃっ?」
変な返事をしたあたしに、くすりと笑った統さん。
「そんなに心配はいりませんよ。さぁ、行きましょうか」
統さんは席を立つと、あたしを連れて、また長い廊下を歩き始めた。
「今から私の息子に会って頂きます」
「は、い」
会ってどうするんだろう?
疑問に思ったが言えず、そのままついて行った。
息子さんの部屋は、4階にあった。
統さんのよりも少し小さい部屋らしいが、私の部屋に比べたらもう何10倍も大きい。
「翔、入りますよ」
「はい、どうぞ」
扉の向こうから、落ち着いた大人っぽい声が聞こえた。
大きな扉を開け、統さんが中に入る。
「さぁ、お入りください」
統さんがあたしに手招きする。
「失礼します…」
赤い、高級感あふれる絨毯にかなり緊張した。
手汗がハンパないけど、ゆっくりと部屋に足を踏み入れた。