りある♡プリンス
♡2
お仕事なのです。
「では早速、まひるさんのお部屋にご案内いたしますね」
「えっ?! お部屋なんてあるんですか?」
あたしは目を見開いた。
「ええ。ここで働いてくださるのだから、当然です」
「あ、ありがとうございます」
エレベーターで3階に降りる。
「こちらです」
「え……」
こんな貧乏人が使っちゃっていいんですかこの部屋。
扉を開けて更に仰天。
1人で使うにはもったいないくらいの広さ。
「あの……本当にいいんですか?」
「ええ。遠慮なさらずに」
統さんは、次は先輩メイドを紹介しますね、と言い、またエレベーターで2階に降りた。
そっか。
まさかメイドがあたし1人なんてあり得ないもんね。
エレベーターを降りて、歩いてすぐのところにある部屋の前で止まった。
「ここが、メイドの控え室になります」
統さんは扉をノックした。
中からは、透き通るような綺麗な声が、どうぞ、と言った。
統さんは扉を開け、中に入るようあたしに手招きする。
「し、失礼します」
そっと部屋に入った。