りある♡プリンス
♡1
貧乏なのです。
「お父さんっ! お父さんっ!!」
「あなた!」
"ピー"
「…17時50分、ご臨終です」
あたしのお父さんは、亡くなった。
もともとあたしの家は貧乏で、お父さんお母さん共に毎日仕事に追われる日々だった。
特にお父さんは、帰りはいつも真夜中の3時くらいで、きっと相当ダメージが大きかったんだと思う。
頑張りすぎて、力尽きたんだよ、ね。
「…頑張りすぎたのよねぇ、お父さん」
「…ん……」
すっかり寂しくなった小さな家に、あたしとお母さんのため息だけが響いていた。