りある♡プリンス
嘘嘘嘘ッッ
食事以外全部なんて、そんなムチャな…っ
「あの、ご主人様。まだ入ったばかりのまひるさんにそんなにやらせるのは、いくらなんでも無茶では?」
まるであたしの気持ちを代弁するように、すかさず紗羅ちゃんが言った。
「いいえ。貴女も入ったばかりでたくさん仕事をこなしましたよね。それに比べれば、たいしたことはありませんよ」
「………」
紗羅ちゃんは黙ってしまった。
「では、そういうことでよろしいですね? 紗羅、まひるさん」
「…はい」
少しの沈黙のあと、紗羅ちゃんが言った。
「…は、い」
あたしも、少し遅れて返事をした。
「では、まひるさん。早速仕事ですよ。今から翔の部屋にお菓子と紅茶を持っていってください」
「え、あ、はい」
あたしはぎこちなく返事をして、ソファから立ち上がる。
「失礼しました」
頭を下げて、静かに部屋を出た。