りある♡プリンス
「あぁ、その心配はいらないわ。もうすぐ……」
"ピー"
「ほら完成」
「う、そ」
ここ、なんでもかんでも速すぎない!?
焼きあがったクッキーを見てみる。
「うわぁ、美味しそう!!」
綺麗に焼きあがっていた。
「ここのオーブン、最先端らしいのよ。速くて便利だわ」
あたしにとっては、神業としか言いようがありませんが。
「さっ、行ってらっしゃい! いい? 入る時は2回ノック。これで、メイドだって知らせるの」
へぇ。
このお屋敷にはそんな決まりが。
「それから、返事があるまで入っちゃダメよ。入ったら、失礼しますって言ってね」
紗羅ちゃんが細かく教えてくれた。
「うん、ありがとう!」
あたしは翔さんの部屋に向かった。