りある♡プリンス
びっくりして振り返ると、そこにいたのは
「っ翔さん!」
そこに立った翔さんは上半身裸で、首にバスタオルをかけている。
前髪からは水滴がしたたっている。
見た瞬間、ぱっと顔を背ける。
ーーーお風呂入ってたんだ……!!
「あああのっ、しっ、失礼しました!」
今すぐにでも部屋を出た方がいいと察知して、あたしはドアノブに手をかけた。
「待てよ」
後ろから翔さんに腕を掴まれた。
そのままぐいっと引き寄せられ、あたしは翔さんに抱え込まれるように抱きしめられた。
「あああのっ?! 翔さん?!」
あたしが叫ぶように言うと、翔さんは耳元で囁いた。
「食事以外は、全部の時間俺といるんだろ?」
うるさいくらいに、早まる鼓動。
翔さんは、今度はあたしをくるりと反転させ、正面に向かせた。
「なぁ、そうだろ? 専属メイドさん」
妖艶に笑う翔さん。