りある♡プリンス
なにこれ……
どーなってるの?!?!
とっ、とにかく今は第一にこの体勢をなんとかせねば。
「はっ、はい! わかりました!!」
そう言うと、翔さんはあたしから離れてくれた。
び、びっくりしたぁ………
「まひるさん、これ、ありがとうございます」
「えっ?」
さっきまでの艶めいた声ではなくなっていた。
そして翔さんが指差す方には、さっきあたしが持ってきたクッキーと紅茶。
「あ…はい」
な、なんなんだ……
やっぱり、翔さんがわからない。
さっきまでの姿が嘘のように、翔さんは早速クッキーに手を伸ばしている。
…あぁ、もちろん、上着は着用済みです。
あたしは、なんとなーく距離を置いてその様子を眺めていた。