りある♡プリンス
「…わかりました。頑張ります」
クッキーなんて作ったことないから、正直不安だけど……
これを機に『料理ができる、高橋まひる』になろうと思います!
「頑張ってください。楽しみです」
「はい!」
いつの間にかクッキーの皿と紅茶のカップが空になっていた。
「あ、じゃあ、これ片付けますね」
「えぇ。お願いします」
皿とカップを持ち、立ち上がる。
「失礼しました」
「まひるさん」
「はい?」
ドアノブに手をかけたところで、翔さんに呼び止められた。
「また、すぐにいらしてくださいね。お待ちしてます」
「!!」
性格のよくわからない翔さんだけど、言われて嫌ではなかった。
少なくとも、今の王子な翔さんは。
「はい、ありがとうございます」
翔さんは微笑み返してくれた。