りある♡プリンス
それにしても、あのキャラの豹変ぶりはなんなんだ。
「ねぇ紗羅ちゃん。翔さんは、いつも王子?」
「え?」
紗羅ちゃんは、なんでそんなこと聞くの?みたいな眼差しをあたしに向ける。
「当たり前じゃない。翔さんは王子よ」
あれー…おっかしーなー……
さっきあたしに見せた危険キャラの翔さんは一体どこへ?
あ、いや、いなくていいんだけども!
「まひる様」
「へっ?」
急に後ろから声がかかった。
振り返ると、あたしとお母さんを最初に案内してくれた、あの男の人が立っていた。
「翔様がお呼びです。至急、部屋へお行きください」
「えっ? えっ?!」
戸惑うあたしをよそに、男の人はあたしを厨房から引っ張り出した。
「お急ぎください。只今、翔様は大変ご機嫌を損ねていまして…」
「そ、そうなんですか…?」
「ですから早く…」
急かされて、あたしはさっき行ったばかりの翔さんの部屋に向かった。