りある♡プリンス
「しょーうさーん?」
帰りのリムジンにて。
もちろん、今あたしが言ってるのは、転校のこと。
「どうしたんですか、まひるさん。せっかくの可愛いお顔が台無しですよ?」
「…っく」
こういう時にさらっと言われるとさ…。
ダメだ、今言っても無駄だ。
あたしはお屋敷に着くまで黙っていることにした。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
少し躊躇いながら差し出された手をとる。
ひとまず、着替えよっと。
あたしはリムジンを降りて、メイドの部屋に急ぐ。
「まひる」
「ぅあっ」
後ろから腕を引っ張られ、ひっくり返りそうになる。
そのまま、メイドの部屋とは逆にある、翔の部屋に連れて行かれた。