りある♡プリンス
「えーいきなりですが、みなさんに残念なお知らせです」
担任の言葉を聞いたとたんにざわめきだす教室。
…もちろん、原因はあたしなんだけど。
「このクラスの高橋まひるさんが、転校することになりました」
その瞬間、一斉にあたしに視線が集中する。
「今日が最後ですから、みなさんたくさん話してくださいね」
「っちょっとまひる!?」
「朝日…」
「なんで言わなかったの?! 今日が最後なんて…なんでもっと早く言わなかったの?!」
HRが終わると、朝日が猛スピードで走って来た。
「ごめん…。だって…」
転校するって決まったの、昨日だし!
「…もしかして、霧沢学園?」
「え? なんで…」
なんでわかるんだ。
エスパー?!?!
「あたし達乗っけてくれたリムジンさ、あとで聞いたら、みんな霧沢様だって」
…霧沢様、ねぇ……。
「あの、超有名な"霧沢財閥"の御曹司じゃないかって」
「え?! "霧沢財閥"?!?!」
超庶民のあたしが知ってるほど有名な、あの"霧沢財閥"。
翔が、その"霧沢財閥"の御曹司?!
「だから転校って聞いて、なんとなく想像ついた」