りある♡プリンス
「じゃ、明日聞かせてね」
「うん、わかった」
お母さんに、挨拶があるから早く帰ってきて、とメールが来ていたので、いつも雑談してから出る教室を今日は早めに出た。
「ただいまー」
「あぁ、まひる。遅かったじゃない」
これでも、いつもよりは何10倍も早いですが。
「ほらッ、早く行くわよ」
あたしはスクバだけを置いて、お母さんに急かされるまま車に乗り込んだ。
「お母さん、歩きじゃないの?」
ガソリンはお金かかって高いから、といつもはどこへ行くにも歩きだったのに、今日はすごく珍しく車だ。
「急ぎだから仕方ない!」
そう言って、いつも穏やかなお母さんからは全く想像のつかない、荒々しい運転で知らない道を走って行く。
あたしの家の周りは住宅地で家ばかりが並んでいるが、15分くらいすると家1つ見当たらなくなった。