りある♡プリンス















「………あなた達2人は、いいなずけなのです」


「「えっ?!」」



2人揃って声をあげる。





いっ、いいなずけ?!


あたしと、翔が?!




嘘嘘嘘嘘っっ!!

なんなのそれ!?



隣の翔は、目を見開いて唖然としている。




「急にこんなこと言って驚かせて、申し訳ないですね。本当はまひるさんが入った時に言おうと思ったんですが、まだ慣れない環境の中でさらに混乱させるようなことはしたくなかったんですよ」



ご主人様はあたしを気遣って言うのを遅らせてくれたけど……今言われても混乱する………





「…でも、今のお2人のやり取りを見て、安心しました。仲がよろしくてなによりです。さ、話は終わりです」



やや雑にまとめられ、あたし達は部屋から出された。





扉の外で立ち尽くすあたし達。


翔をちらりと見上げると、意外にも落ち着きをはらっていた。




なんで……?


なんで落ち着いてられるの?





すると翔はあたしに「行こうか」と言い、廊下を歩いて行った。






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